損害保険料率算出機構による参考純率の改定や保険会社の収支状況を踏まえた内容での改定と保険会社からの回答でした。
どちらにも、大きな疑問点が残りました。後者の収支状況は単なる、言い訳に過ぎず経営の失敗だけだと思います。


私的意見では、損害保険算出機構は参考純率と基準料率の算出・提供が正式事業の為、国の指導や保険会社との打合せなどが無い限りの変更は無いと考えます。
全ての保険契約が上がったというわけでは有りませんが、皆様には納得のいかない説明だったと思います。

変更点の具体例

・自動車各車の安全装置割引の撤廃(理由としては、近年の自動車には全て標準装備とのこと)
・60歳以上の運転者に対する割増し(個人契約のみに付加)

平成24年4月時点
メディアを通じて、正式に平成24年10月より「事故有り等級」を導入する事に決めました。
「事故をした人と無事故の人が同じ割引率では不公平」と言うのが、今さらながらの理由でした。

保険会社からの資料コンサルティングセールス(平成24年度10月1日版)には、23年4月の改定内容と同じ収支状況の悪化しか書いてありません。 又、平成23年度より今日まで様々な情報が紙面などで出ておりましたが記事の中も、保険会社と同内容としか感じませんでした。

その経緯は下記の表になります。
平成23年4月の「年齢別料率導入」に続き、平成24年に抜本的大改革の「等級制度改定」を実施することで、 自動車保険の構造的な問題について、ひととおり対応策が実行されることになります。

外部環境 顕在化した問題 対応策
高齢化社会 高齢者の事故多発 平成23年4月の年齢別条件料率導入
若者の車離れ 年齢条件進行
コンパクトカー 等級進行 平成24年10月 等級制度改定
保険事故の増加 等級制度の歪み
車両盗難の増加 保険金増加 ※1 平成20年4月以降の料率水準改定 
自然災害
景気変動
割引競争 割引拡大による減収 エコカー割引廃止
安全装置割引廃止
消費税引上げ予定


※1の料率改定について・・・。 あたかも平成20年だけのような書き方でしたが、近年で言えば各社ばらばらですが年度初めにほぼ毎年実施されています。

そこで、新制度の等級改定制度は、既に御承知の部分もあるでしょうが下記表を参考にしながら、例を用いて確認して頂きたいと思います。

平成24年10月1日から平成25年9月30日が保険始期のご契約の割増引率

等  級 割    増 割    引
1 2 3 4 5 6F 7F 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
割増引き率(%) 52 26 10 1 10 17 23 28 33 37 40 44 47 50 52 55 57 59 61 63

平成25年10月1日から平成26年9月30日が保険始期のご契約の割増引率

等  級 割    増 割    引
1 2 3 4 5 6F 7F 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
事故無し(%)  64 28 12 2 13 19 28 40 41 43 46 47 48 49 50 52 55 57 59 63
事故有り(%)  64 28 12 2 13 19 20 21 22 23 25 27 29 31 33 36 38 40 42 44

例)現在(平成25年5月9日時点)
現在の等級:20等級
事故:無し
割増引率:63%割引
年間保険料:50,000円

 保険をお使いにならなかった場合   事故で保険をお使いになった場合 
次 契 約 50,000円 次 契 約 84,000円
2 年 目 50,000円 2 年 目 81,000円
3 年 目 50,000円 3 年 目 78,000円
3 年 合計 150,000円 3 年 合計 243,000円
差額が、93,000円になります。

今までの事故時の等級訂正での割増保険料より8万円程割増が掛かっています。(上記、割増部分は湖口の計算によるものです)

「最後に」

保険会社がこの2012年10月に一斉大改定を行っています。10月改定の会社は以下の計16社になり、一斉実施です。


・損保ジャパン(弊社引受)
・日本興亜損保(損保ジャパンと同じNKSJグループ)
・あいおいニッセイ同和(弊社引受)
・共栄火災
・三井住友海上火災
・東京海上日動
・日新火災
・富士火災海上
・朝日火災海上
・大同火災海上
・AIU
・エース損害保険
・チューリッヒ
・ゼネラリ
・アクサ損害
・全自共

今後は、日本で営業する全損害保険会社は、事故有りのお車の他社への変更時の等級継承を上記の制度に合わせざるを得ないため、 全社的に移行するのではないかと、私的意見ではございますが考えています。

【承認番号】SJ12-20786


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